top of page

植物たちの物語

聖庵でお世話になっている植物たちの紹介です。

シコン

紫根(シコン)

シコン|フェイスオイル(スキンケア用)

万葉の時代から愛される 肌を癒すハーブ

 シコンは、ムラサキ科ムラサキ属の植物の根を乾燥させたハーブです。古くから日本や中国で自生し、その根が持つ美しい紫色から染料として重宝されてきました。また、抗炎症や創傷治癒促進なども認められ、漢方薬としても広く利用されてきました。ムラサキの栽培は奈良時代から行われていましたが、近年は野生種の減少が著しく、絶滅危惧種に指定されています。

肌への働き

 シコンの主成分である「シコニン」は、強力な抗炎症を持ち、ニキビや吹き出物による肌の赤みや腫れを鎮めます。さらに、創傷治癒を促す働きがあり、ニキビ跡の回復を早め、肌の再生をサポートします。また、抗酸化が優れており、肌の酸化を防ぎ、シミやそばかすの原因となるメラニン生成を軽減することで、美白も期待できます。

マツバ

松葉(マツバ)

マツバ

免疫力を高める日本の伝統ハーブ

 マツバは日本のマツの木から採れる針状の葉です。爽やかな香りがあり、ビタミンCを豊富に含んでいます。お茶として飲んだり、入浴剤として使ったりするほか、正月飾りなど日本の伝統文化でも大切に使われてきました。昔から風邪予防など、健康のために利用されてきた日本の伝統的なハーブの一つです。​​​​​​​​​​​​​​​​

心への働き

 マツバに含まれる「αピネン」は、マツやヒノキ、スギなどの針葉樹に含まれる天然成分で、森林浴ような心を落ち着かせる働きがあります。爽やかな香りは精神的な疲労回復を助け、ストレス解消や気分転換に役立ちます。 

身体への働き

 マツバには、「ビタミンA、C、K」などのビタミン群が豊富に含まれています。 抗酸化による老化予防、免疫の強化にも役立ちます。また、コラーゲンの生成を助け、皮膚や血管の健康をサポートしてくれます。

肌への働き

 抗酸化により、肌の酸化によるシミ・しわ・たるみなどの老化を予防し、血行もよくなることから、肌の新陳代謝や透明感の向上に繋がり、美肌保持にも有効であるといわれています。

ユズ

柚子(ユズ)

ユズ

美容と健康に役立つ 日本原産の柑橘類

 ユズは日本原産の柑橘類で、表面がでこぼこした厚い皮を持ち、強い芳香があり果汁は酸味が強いのが特徴です。11月から12月が旬で、生食よりも果汁や皮として料理や加工品に使用されることが多く、ポン酢やドレッシングなどの調味料、お菓子の香り付けなどに広く活用されています。日本の食文化においては、冬至の日にユズ湯に入り、邪気を払い、風邪を予防する習慣があります。

心への働き

 「リモネン」は、柑橘類に共通する香り成分ですが、特にユズにはレモンよりも多く含まれています。この「リモネン」が、私たちの脳に働きかけ、リラックスをもたらし、ストレスを軽減する働きがあると考えられています。また「シトラール」は、免疫細胞を活性化させる働きがあり、風邪の予防だけでなく、疲労回復にも役立つと言われています。

身体への働き

 ユズに豊富に含まれる「ビタミンC」と「クエン酸」は、風邪の予防や疲労回復に役立ちます。また、「ヘスペリジン」という成分はポリフェノールの一種で、血行を促し、冷え性や肩こりといった身体の不調を軽減する働きがあります。

肌への働き

 ユズに含まれる「ビタミンC」は、肌の酸化を防ぎます。これにより、シミやそばかすの原因となるメラニン生成を抑制し、美白が期待できます。また、コラーゲン生成も促され、肌にハリと弾力を与え、若々しい肌を保つのに役立ちます。さらに、抗炎症や殺菌により、赤みや炎症を抑え、肌荒れやニキビの予防も期待できます。

ヨモギ

蓬(ヨモギ)

ヨモギ

人々の暮らしを支えてきた『ハーブの女王』

 ヨモギは古くから人々の生活に密接に関わってきた薬草です。

学名「アルテミシア」は、ギリシャ神話の狩猟と月の女神アルテミスに由来すると伝えられています。キク科ヨモギ属の多年草で、原産地は北アジアですが、その強い繁殖力により、現在では日本をはじめ、インドや中国、ヨーロッパ、アメリカにも広く分布し、200種以上が自生しています。

 茎は直立して50-100cmほどに生長し、葉は羽状に深く切れ込んでいて、表面は緑色、裏面は白い綿毛で覆われているのが特徴です。春から秋にかけて日本全国の野原や道端で見ることができ、独特の香りと風味を持つ春の七草の一つとしても親しまれています。

 ハーブ成分が豊富で、生理不順や冷え性、むくみなど婦人病への作用が期待され、「ハーブの女王」とも呼ばれています。日本では草もちや天ぷらなどの食用として親しまれているほか、お茶やお灸の原料として重宝されています。特に近年では、よもぎ蒸しなど美容や婦人科系のケアにも活用され、その用途は多岐にわたります。 

心への働き

 ヨモギに含まれる香り成分の「シネオール」には、交感神経を鎮める働きがあり、副交感神経を優位にすることで、リラックスを促します。また、「α-ツヨン」という成分には、心地よい爽快感を与えると言われており、イライラを和らげ、安らかな睡眠へと導いてくれます。

身体への働き

 ヨモギは、「クロロフィル」や「ビタミン(A、B1、B2、C、E)」「ミネラル(カルシウム、鉄分)」、食物繊維を豊富に含んでいます。これにより血行や新陳代謝が促進され、全身の凝りや冷え性の緩和に役立ちます。また、造血や抗酸化により、貧血の予防や老化の抑制も期待されます。

肌への働き

 ヨモギに含まれる「クロロフィル」「ビタミン」「Bカロテン」は、肌の健康に多くの利点をもたらします。抗酸化により、肌の老化を防ぎ、ダメージを修復する手助けをします。また、炎症をを抑え、肌荒れや赤みを軽減することが期待できます。潤いを与えて、しっとりとした肌を保ちます。

bottom of page